ナツマツリ
/a hairstyle
「んー…。」
「なに唸ってんの。」
ぱらりぱらり、と。手元の雑誌をめくっては唸り声を上げていると、頭上に人影が現れた。
「侑。」
手にしていた雑誌をテーブルに置き、のけ反る様にその顔を見上げる。
すると。
「っ、」
ちゅ、と。僅かなリップ音を響かせて額にキスを落とした彼。瞬時に頬に熱が集中した。
「ヘアーカタログ?」
「あ、うん、そう。」
視線が先程の雑誌に移ったのを確認すると、細く安堵の息を吐いた。
良かった、真っ赤になった頬は見られていなかったらしい。