片恋桜
大地は桜の隣をすっと通り越して、
大地は二階へと、階段を上って行ってしまった。


ナイチャダメ。ガマンシナクチャ。


そう心の中で何度も言いかけてるのに、
桜の瞳からは涙が溢れて溢れて仕方がなかった。
一粒・・・二粒と、桜の涙が頬をつたって床に落ちる。

「桜・・・」

「平気・・・。大丈夫だから・・・」

バカみたい・・・。何が怖いの?何を求めてるの?
何で素直になれないの?何で泣いてるの?

全部、自分が悪いのに・・・。

「んへっ」

真意は桜の頬をぎゅっとつかむ。

「いった~い・・・なにするのさぁ・・・真意・・・」

「後悔してる。なんで素直にならないの!?」

“かわいそうじゃん!大地の事好きって
 言ってくれてる人なのに・・・傷つくよ!”

真意は桜のことを思い切り睨む。

「“幸”を願うばかりじゃなくて、
 自分でも“幸”を叶えるの!」
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