片恋桜
ガラッ!!
大地は応援団の練習が終り、
教室に戻ってきた。トレーナーと
リストバンドをはずし、
思い切り机の上にほうり投げる。
“ラブレターの返事かえしてあげなさいよ!”
“そうだよ!”
「なんでだよ・・・。桜―――」
あんなこと・・・言わなくたっていいんじゃねぇか。
大地は体操服を脱ぎ、私服に着替える。
教室から出ようと、一歩足を踏み出した瞬間、
大地の足元に何かが落ちた。大地はしゃがみ、近くで見てみる。
すると、「大地へ」と書いてある手紙があった。
大地は手にとってみてみる。
(今度は誰だよ!ったく)
大地は強引に手紙の口をあけた。
便箋を読んだ瞬間、大地は思い切り走り出す。
その手紙を書いたのは桜だった。手紙の内容は、
「大地へ
放課後研修室に来て下さい。」と書いたものだ。
桜は勝負にでた。桜のほうに大地は来てくれるか。
それとも桜とは別の人のほうにいってしまうか。
もしも桜のほうに来たら、桜の事を少しは、
思ってくれているということ。でも・・・
もし桜じゃないほうにいったら、
桜じゃなくちがう人を思ってるという事。
大地がどちらにきてくれるかによって、
すべては変わる。
桜はずっと、研修室で大地を待っていた。
時計を見ると桜が研修室に入ってから30分たっている。
ああ・・・やっぱりちがう人のほう行っちゃったんだな・・・。
うち嫌われてるもんね・・・。もう出ようかな・・・。
桜が研修室を出ようとした瞬間だった。
ガララッ!!