片恋桜
*・+第三章+・*
後悔なんて二度としない。“幸”は自分の手で掴むの。
“どうしたの?”
“どうして泣いてるの?”
「だって・・・心が痛いから」
「速報!」
桜と同じクラスの健史郎が、
クラスのみんなに大きな声で伝える。
「大地に・・・大地にラブレターが!!」
「きゃあぁぁ!!!」
女子たちの黄色い声がすごい。
男子たちは耳をふさいでいる。
女子たちはいっきに健史郎の周りを囲んだ。
真意はクラスを飛び出し、桜を探しに学校中を走り回る。
桜・・・桜・・・さくら!!
「どこ・・・・・・?」
そうつぶやいたときだった。
誰かの体に思い切りぶつかり、
真意は遠くに跳ね飛ばされる。
仰向けになって、真意はあがいていた。
「っ――・・・。ゴメンなさい・・・」
「大丈夫か!?真意!?」
あぁ・・・この声・・・たしか・・・
真意はゆっくりと瞳を開けてゆく。
目の前には愛しい人の姿が見えた。
真意は気のせいかと思い、もう一度よく見てみる。
やっぱり祐也だった。
「祐・・・也・・・?」
「大丈夫?真意」
今一瞬、桜の声がしたような気がした。
真意は立ち上がり、周りを見渡す。
桜の姿が目の前に写る。
「ゴメンね!祐也!後で!・・・桜・・・よく聞いて」
真意は桜の両手をぎゅっと握り締めて・・・
「なーに?」
桜は屈託のない笑顔で真意を見る。
言っていいのか。真意は一瞬戸惑った。
言って、もしも泣かせたり、幻滅させたりしたら・・・。
それでも、言わなきゃならない。
真意は胸に覚悟を決め、桜のほうをじっと見る。
「大地が・・・大地がラブレターもらって・・・」
え・・・?
桜は一瞬時が止まったように感じた。
カツ―――ン・・・・・・。
静かな廊下に一歩踏み出した足の音が鳴り響く。
桜は後ろを振り向いた。誰かすぐにわかる。
あの音・・・あの歩き方・・・あの立ち姿・・・あれは・・・。
「大地―――・・・」
“どうしたの?”
“どうして泣いてるの?”
「だって・・・心が痛いから」
「速報!」
桜と同じクラスの健史郎が、
クラスのみんなに大きな声で伝える。
「大地に・・・大地にラブレターが!!」
「きゃあぁぁ!!!」
女子たちの黄色い声がすごい。
男子たちは耳をふさいでいる。
女子たちはいっきに健史郎の周りを囲んだ。
真意はクラスを飛び出し、桜を探しに学校中を走り回る。
桜・・・桜・・・さくら!!
「どこ・・・・・・?」
そうつぶやいたときだった。
誰かの体に思い切りぶつかり、
真意は遠くに跳ね飛ばされる。
仰向けになって、真意はあがいていた。
「っ――・・・。ゴメンなさい・・・」
「大丈夫か!?真意!?」
あぁ・・・この声・・・たしか・・・
真意はゆっくりと瞳を開けてゆく。
目の前には愛しい人の姿が見えた。
真意は気のせいかと思い、もう一度よく見てみる。
やっぱり祐也だった。
「祐・・・也・・・?」
「大丈夫?真意」
今一瞬、桜の声がしたような気がした。
真意は立ち上がり、周りを見渡す。
桜の姿が目の前に写る。
「ゴメンね!祐也!後で!・・・桜・・・よく聞いて」
真意は桜の両手をぎゅっと握り締めて・・・
「なーに?」
桜は屈託のない笑顔で真意を見る。
言っていいのか。真意は一瞬戸惑った。
言って、もしも泣かせたり、幻滅させたりしたら・・・。
それでも、言わなきゃならない。
真意は胸に覚悟を決め、桜のほうをじっと見る。
「大地が・・・大地がラブレターもらって・・・」
え・・・?
桜は一瞬時が止まったように感じた。
カツ―――ン・・・・・・。
静かな廊下に一歩踏み出した足の音が鳴り響く。
桜は後ろを振り向いた。誰かすぐにわかる。
あの音・・・あの歩き方・・・あの立ち姿・・・あれは・・・。
「大地―――・・・」