最後のメッセージ

あれからもう何十年もたつ。
葵は結局、電話をかけた時には亡くなっていた。
覚悟はしていたが、やっぱり受け止めることが出来ずに、ただただ呆然とその場に立っていた。
ほんとに悲しいときには涙がでない。そんな感情をはじめてしった。
さよならもありがとうもいえなかった。
もう一度葵に振られた日にもどったのなら
ひっぱたいてでも葵を1人で死にむかわせることはなかった。
こんなことされても余計わたしは悲しいだけそう伝えて最後まで一緒にいただろう。
ただ…
最後のメッセージである『幸せになれよ』
あの言葉が私にとっての人生最大の言葉だった
ガンで亡くなる人がいなくなるように、少しでも悲しい思いをする人を減らしたいその意思で必死に勉強して医者になった。ガンの研究を続け抗体を開発することもできた。定年退職をした今でも、後輩育成を頑張っている。
結婚もした。お相手は、医大生時代に通っていたスーパーの定員だ。私にゾッコンだったらしく、猛アピールされているうちに私も心を許し結婚までにいったた。彼との間には3人の子宝にもめぐまれ、幸せに暮らす…はずだったんだが
人生すべてが上手く行くわけはなく、下の子が3才の時に、キャバ嬢と浮気しやがった。
浮気相手と私の通帳の300万と共に元旦那は行方不明となった
まぁ、そんなこともあったが今は孫までいて
とても幸せに暮らしている