不本意ですが、エリート官僚の許嫁になりました
「祭、全然そう見えないのに、食べ物大好きだよな」
「あんなに細いのに大食漢だしね」
「俺たちよりずっと貪欲なんだよ、胃袋も人生の価値観も」
そうでないとあの若さで起業なんてできないだろう。私をここまでパワフルにしたのは祭と豪。三人でしのぎを削ることで、今の私は形成された。
「実をいうと、中学からあんたと祭と三人でテストとか対決するの、結構好きだった」
「テストが好きとは変なやつだ」
「そういう話してんじゃないの!」
「わかってるよ。……俺も結構好きだったよ。いつも翠と祭が追撃してくるから気が抜けなかった」
豪の言葉に嬉しくなる。私たちはやっぱりあの限られた時間に近しい立ち位置でものを見ていたのだ。
「帝士の三傑とか、言い過ぎよね」
「ただ競って勉強してただけなのに。学園の元締め感ある二つ名をつけられてもな」
私たちは顔を見合わせ少し笑った。
大きなケーキは切り分け、ふたり分を皿に取ると冷蔵庫に入れた。明日の朝食べるにしても、半分は私は自宅に持ち帰らなければならないだろう。母には豪と祭とパーティーをしてくると言ってあるから、別にいいんだけれど。
見た目はシンプルなショートケーキ。ベリーソースがおしゃれにデザインされてかかっている。
しかし、味は複雑だ。層に寄って挟まったソースが違うようで、ピスタチオやマンゴーの味もする。
美味しい。祭は本当によく私のツボを心得ている。
「あんなに細いのに大食漢だしね」
「俺たちよりずっと貪欲なんだよ、胃袋も人生の価値観も」
そうでないとあの若さで起業なんてできないだろう。私をここまでパワフルにしたのは祭と豪。三人でしのぎを削ることで、今の私は形成された。
「実をいうと、中学からあんたと祭と三人でテストとか対決するの、結構好きだった」
「テストが好きとは変なやつだ」
「そういう話してんじゃないの!」
「わかってるよ。……俺も結構好きだったよ。いつも翠と祭が追撃してくるから気が抜けなかった」
豪の言葉に嬉しくなる。私たちはやっぱりあの限られた時間に近しい立ち位置でものを見ていたのだ。
「帝士の三傑とか、言い過ぎよね」
「ただ競って勉強してただけなのに。学園の元締め感ある二つ名をつけられてもな」
私たちは顔を見合わせ少し笑った。
大きなケーキは切り分け、ふたり分を皿に取ると冷蔵庫に入れた。明日の朝食べるにしても、半分は私は自宅に持ち帰らなければならないだろう。母には豪と祭とパーティーをしてくると言ってあるから、別にいいんだけれど。
見た目はシンプルなショートケーキ。ベリーソースがおしゃれにデザインされてかかっている。
しかし、味は複雑だ。層に寄って挟まったソースが違うようで、ピスタチオやマンゴーの味もする。
美味しい。祭は本当によく私のツボを心得ている。