不本意ですが、エリート官僚の許嫁になりました
豪が言う。

「大学のとき、祭とおまえの数少ない女友だち何人かとプールに行っただろ。おまえは割と際どいビキニ着てた」
「きわどくない!」

そういえばそんなこともあったような。夏なのに楽しいイベントがない、翠の友達集めてよーって祭がうるさくて……。
私はあの年流行ったフレアートップのビキニを着たはずだけど。

「胸元がひらひらしてて、体型の割にボリュームのある胸を強調してたな。へそは丸出しだし。あとパンツのラインがローライズ過ぎて、どれほど周りの男から見られないように苦心したか……」
「そんなこと覚えてるの?」
「婚約者が美人でスタイルがいいと苦労する」

豪、わかってて言ってるのかしら。私を喜ばせようとしてる?

次の瞬間、豪が私の肩からワンピースをブラジャーごと引きずり落とした。
ストンと足元でわだかまる布地。呆気にとられ、口を開ける私。

「おまえの身体は十分俺を惹きつけてる。安心しろ」

豪は私の身体を抱き寄せた。パンツ一枚だ。裸の胸が豪の裸のお腹に当たっている。
恥ずかしくて死にそう。
豪はバスタオルを私の背にかけ、先にシャワールームへ向かう。自身のジーンズを脱ぎ捨てると、シャワーの蛇口をひねった。

「ほら、おいで。翠」
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