不本意ですが、エリート官僚の許嫁になりました
確かに帝士大学付属中学高校と、豪は一度たりとも他人に総合トップを譲ったことがない。私はどれほど頑張っても二位か三位だった。
だけどね、あんたがトップを張り続けられたのは、私ともう一人の友人があんたを追撃していたからなんだからね。むしろ、私たちに感謝すべきよ。

「体育は私の方ができる」

悔しまぎれに言うと、大きな声で笑われた。

「そう言うと思ったが、女子と男子は体育で競えないだろうが。そして、残念ながらもともとの運動神経も俺の方が上だ。可哀想に。勝てるところがないな」

誤字誤用から論旨のずれたマウント合戦になってしまった。私たちっていつもこう。
こんな関係で結婚しろとかちゃんちゃらおかしくってやってらんない。毎日喧嘩し続けろってことかしら。安らぎのない家庭は決定だ。

「あんたのそのウザイところ、心底嫌いだわ」

低く告げると、豪もまた冷めた表情で答えた。

「奇遇だな。俺もおまえの面倒くさいところが嫌いだ」

私たちは互いにぷいと顔をそむけ、仕事に戻った。
お腹の中がムカムカしていた。


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