うそつきペン
「これを撮影してた生徒は?」


そう聞くと夕子は首をかしげて「さぁ?」と興味なさそうな表情を浮かべる。


それを見てあたしは言葉を失った。


だって、こんな動画を撮影する暇があれば助けを呼びに行ったりとかできたよね?


こんな場所に登校してグループで見れるようにすることもおかしい。


昨日ペンを使わなければ、これが自分自身の身に降りかかってきていたのだ。


そう思うとどんどん血の気が引いていく。


「こんなの犯罪じゃん」


「でもさぁ、なにも言わない春子も悪いでしょ」


夕子はなんでもないことのようにそう言った。
< 101 / 281 >

この作品をシェア

pagetop