うそつきペン
「そうだよ! 一番の被害者はアユリじゃん」


そう言われてあたしは目を丸くした。


被害者はあたし……?


そう言われれば心当たりはある。


掃除時間のときもそうだし、走る前だってあたしに注意してきた。


それだけじゃない。


あたしがトロイからってちょっとした出来事でもすぐに口を出して来る。


それはターゲットを決めて文句を言っているのと同じような状況だった。


「そう……だよね?」


今までの出来事を思い出すと、途端に春子への同情心は消えていた。
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