うそつきペン
「いつもあんまり笑わないから知らなかったけど、可愛いよね」


夕子の言葉にあたしは自分の顔が熱くなるのを感じた。


そんな風にクラスメートから褒められたことも、高校に入学して以来初めての経験かもしれない。


「あ、ありがとう……」


褒められ馴れていないあたしはしどろもどろの返事になってしまう。


「どういたしまして!」


夕子はそう言ってあたしの背中を叩き、教室へと入って行ったのだった。
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