うそつきペン
どれだけ努力してクラス委員の仕事をしたって、みんなからの信頼は消え去ってしまったも同然だ。


思い出すだけで頬が緩んできてしまう。


「今日は機嫌が良さそうだね?」


いつものように一緒にお弁当を食べていたツグミがそう声をかけてきた。


「まぁね」


あたしは明るく返事をしておにぎりを頬張る。


今日のお弁当はいつもの倍くらい美味しく感じられる。


「今日は夕子ちゃんは?」


「夕子は教室で食べてる」


他の子たちと春子の動画を見てゲラゲラと大笑いしていたから、声をかけずに来たのだ。
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