うそつきペン
「あたしはカンニングなんてしない」


その言葉にハッと息を飲んで顔を上げた。


春子は真っ直ぐにあたしを見つめている。


「誰かがあたしの制服にカンニング用紙を入れたの」


きっとそれは夕子だろう。


薄々感づいていたことだった。


「そう……」


あたしはなんと返事をしていいかわからず、小さな声でそう言うだけだった。


「どうしてあたしがこんな目に遭うの!?」


怒鳴るように言われてあたしは春子から身を反らせた。
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