うそつきペン
「トイレで手を洗ってる時に隣からそっと入れたんだよ」


友里恵ちゃんはそう言って自信満々な笑顔を浮かべる。


まるで自分たちが良い事をしたような表情に、つい笑ってしまった。


「おかげで先生が教室からいなくなって、あたしたち3人とも100点だったよね」


夕子はそう言い、スキップをした。


そういえばあたしの点数は何点だったんだろう?


あれから確認をしていないからわからないままだけれど、うそつきペンで書いたから零点ではないはずだ。


「昨日居残りしたのって春子1人だっけ?」


そう聞くと、夕子は左右に首を振った。
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