うそつきペン
「1人でってすごいじゃん」


朱里ちゃんは感心したようにそう言う。


「すごいけど、春子のためにそこまでするなんてね」


夕子はそう言ってクスクス笑う。


今や春子はクラス中の笑いものだ。


「だよねぇ。パンツ女のことなんてほっとけばいいのに」


知らない間に自分の口からそんなセリフが出ていて、あたしは動きを止めた。


あたし、今なんてことを……?


しかし、少しの沈黙の後3人は同時に笑い始めた。
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