うそつきペン
夕子は叫び声のような奇声を上げると、教科書を放り投げた。


春子の教科書は床にたたきつけられる。


「やだ触っちゃったよ、汚い!」


夕子は面白おかしくそう言ってハンカチで手を拭き始めた。


「パンツ女の教科書だぞ~!」


調子に乗った真治が教科書をつまみ上げ、クラスメートたちに近づいていく。


まるで小学生のような真治に笑い声が漏れる。


本気ではないにしろ、教科書を近づけられた生徒はどんどん逃げて行く。


「なぁんか、本当にばい菌とかついてそうだね」


その様子を見ていた友里恵ちゃんがそう言って笑った。
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