うそつきペン
「なにすんだテメェ!!」


次の瞬間、真治が怒鳴りだしていた。


春子の前髪を鷲掴みについて床へ押し付ける。


「ちょっと、やめなよ真治」


さすがにまずいと思ったのか夕子が止めに入る。


けれど、真治はその程度じゃ止まらなかった。


春子を無理矢理跪かせると、その背中に自分の足を置いた。


きつく踏みつけられているのか、春子のうめき声が聞こえて来る。


「前から思ってたけど、お前の優等生ぶった態度がうざってぇんだよ」


春子はなにも言わない。


言えないのかもしれない。
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