うそつきペン
「教師に気に入られるためにクラスの中心みたいな顔しやがって」


そう言い、真治は春子の背中に乗せている足に体重をかけた。


あたしはチラリと教室の時計を確認した。


休憩時間はあと数分しか残っていない。


そろそろ先生が来るかもしれない。


そう思い、自分の席へと戻って続きを傍観する。


「なにしてんの?」


教室の外へ出ていた生徒たちが戻って来て、春子と真治を見て瞬きを繰り返している。


近くにいた生徒が簡単に事情を説明すると、その生徒は面白い物を見つけた時のように目を輝かせた。


みんな春子を助ける気なんてサラサラないようだ。


でも、もう本当にやめないと。
< 150 / 281 >

この作品をシェア

pagetop