うそつきペン
あたしはそう答えた。


どうせなら、もっと泣き叫んで抵抗してみてほしかったのに。


簡単に謝るよりも、そっちの方がずっと面白かったのに。


「それあたしも思った。春子って意外と弱いよね」


友里恵ちゃんがそう言って笑う。


みんなあたしと同意見だったようだ。


「今日はなにしようかなぁ」


夕子が歌うようにそう言う。


3人で教室へ入ったとき、包帯を巻いて椅子に座る隆二の姿が見えてあたしたちはほぼ同時に立ち止まっていた。
< 157 / 281 >

この作品をシェア

pagetop