うそつきペン
「あ~あ、朱里の事悲しませた」


夕子が隆二を非難するようにそう言った。


隆二は教科書から顔をあげてめんどくさそうにあたし達を見る。


「隆二ってさ、春子のことが好きなの?」


友里恵ちゃんが遠慮なくそう質問した時、机についた朱里ちゃんが恐る恐るという様子でこちらを見た。


もしかしたら、朱里ちゃんは隆二のことが好きなのかもしれない。


「はぁ? なんでそんな話になるんだよ」


隆二はそう言って眉間にシワを寄せた。


「だって、春子にだけ優しくしたんでしょ?」


「頼まれたから受けただけだろ」


隆二は言い返す。
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