うそつきペン
「でも、足がこんなんだしなぁ……」


隆二はそう言って頭をかいた。


すぐに断らないということは、朱里ちゃんのことを嫌いではないのだろう。


「その足、どうしたの?」


朱里ちゃんが改めてそう聞いた。


「昨日やられた」


「もしかして、スーツの男たちに?」


放課後、また校門前にいたという男の話を思い出してあたしはそう聞いた。


「あぁ。あいつら結構しつこくてさ」


そう言って顔をしかめる隆二に朱里ちゃんの表情が険しくなった。
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