うそつきペン
☆☆☆

「ちょっといい加減にしてよ」


イライラとした声が聞こえてきてあたしは顔を上げた。


そこには昨日と同様に怒った表情の春子が仁王立ちをしてあたしを見下ろしていた。


ハッとして周囲を見回す。


みんな掃除を終えて、あたしの拭き掃除が終わるのを待っている状態だ。


「ご、ごめんみんな！」


慌てて立ち上がり教室の外へ出ようとすると、なにかに躓いてコケテしまった。


不意にこけたため受け身が取れず、鼻から地面に激突してしまった。


「アハハハハ！　ほんっとトロイよなアユリって」


痛みに顔をしかめながら起き上がるとクラスメートの西原信二がお腹を抱えて笑っていた。
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