うそつきペン
「アユリの部屋にお邪魔するのって久しぶりだからなんか緊張するなぁ」


あたしの家までやってきたツグミはそう言って家を見上げた。


「この前はここまで迎えに来てくれたじゃん」


「そうだけど、中には入らなかったしさぁ」


そう言いながら玄関を上がる。


するとツグミは懐かしそうに目を細めた。


「玄関の飾り、変わってないね」


ツグミはそう言って玄関わきに置いてある造花を指先で撫でた。


「そうだね。そろそろ変えてもいいけどね」


長い間同じ場所に置いてあるから、日に当たって色が変化してしまっている。
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