うそつきペン
「これは特別なんだよ」


そう言ってツグミは箱からシャーペンを取り出した。


何の変哲もないシャーペンだ。


あたし達の卒業日時と中学校名が書かれているだけのもの。


ツグミはその日付をじっと見つめている。


「もしかして、卒業式のときになにかった?」


「え!? べ、別になにもないよ!」


ツグミは急に慌て出してシャーペンを床に落としてしまった。


それを拾いあげて自分の鞄へとしまう。


あからさまに何かを隠している。
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