うそつきペン
「なにがあったの?」


「なにもないってば」


そう言い、ブンブンと左右に首をふるがあたしと目を会わせようとはしなかった。


「怪しいなぁツグミ! なにを隠してるの!?」


隠されれば余計に気になってきてしまう。


「別に……よくあることだし」


そう言い、ツグミは頬を赤くした。


卒業式でよくあること。


それってもしかして……。


「まさか、誰かに告白されたとか!?」


目を輝かせてそう聞くと、ツグミはまた左右に首を振って否定した。
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