うそつきペン
「もちろん! あ、っていうかその人とは上手く行ったの? 付き合うことになったから、そのシャーペンを大切にしてるってこと?」


次々と質問を浴びせるあたしに、ツグミはプッと噴き出した。


「告白したけど、ダメだった」


「そうなんだ……」


てっきり上手くいったのだと思ってしまった。


あたしは少し落ち着いてツグミを見る。


「そりゃそうだよ。付き合えてたらアユリには伝えてるから」


ツグミの言葉にあたしは嬉しくなってしまった。


「そっか」


「うん」


「でも、それはいい思い出なんだよね?」
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