うそつきペン
それにつられるようにしてクラス全員が笑い出す。


あたしも一緒に笑おうかと思ったが、頬がひきつって上手く笑えない。


『ごめんねドジで』


そう言って明るく振舞えばいいのに、それができなかった。


「ほら、さっさとどいてよ」


ひとしきり笑った後、春子があたしを教室の外へと押し出した。


全員が何事もなかったかのように掃除を再開する。


あたしはその様子を見つめて1人水道へと向かったのだった。
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