うそつきペン
「た、ただのペンだよ」


焦って言葉がつっかえてしまった。


特に変わった所のないペンなのに、どうしてツグミは引き寄せられてしまったんだろう。


心臓がドクドクと鳴りはじめて、背中に嫌な汗が流れて行く。


「これってちょっと変わってるね」


「どこが!?」


思わず声が大きくなってしまった。


「ほら、ここ」


そう言ってツグミがペンの先を指さした。


よく見て見ると、ペンの先はキラキラと光って見えた。


ラメでも入っているのだろう。
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