うそつきペン
「別に、今どきそのくらい普通でしょ」


あたしはそう言い、ツグミからペンを奪い返した。


このペンの用途なんて気が付くわけがないけれど、罪悪感が胸に押し寄せて来た。


「なにをそんなに慌ててるの?」


ツグミが怪訝そうな顔をあたしへ向ける。


「別に慌ててなんてない」


そう言い返してCDをセットした。


その時だった。


ツグミが勝手に引き出しを開けたのだ。


「ちょっと、勝手に触らないでよ!」


「どうして? さっき本棚を見た時はそんなに怒らなかったじゃん」
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