うそつきペン
ツグミは疑わしい目つきであたしを見つめる。


「引き出しの中は別でしょ!」


「アユリもなにかあたしに隠してるんじゃないの?」


そう言われて、あたしは口をつぐんだ。


ツグミと目をあわせることができず、空中に視線を向ける。


「あたしはちゃんと自分の秘密をアユリに話したよ?」


そうかもしれないけれど、好きな人とかそういうんじゃない。


あたしがやっていることを知れば、きっと軽蔑されるだろう。


「別になにも隠してないよ」


「嘘。アユリは全部顔に出るんだから」
< 184 / 281 >

この作品をシェア

pagetop