うそつきペン
「どうしたのアユリ?」


「ううん……。仕方ないなぁ。見てもいいよ」


あたしはそう言い、引き出しを開ける。


ツグミは少し驚いたようにあたしを見て、それから引き出しの中に手を入れた。


うそつきペンに触れて見ているが、特になにも見つけられなかったようですぐに引き出しにしまった。


中にしまってあるノートを見ても、ツグミは首を傾げるだけだった。


「なにが書いてあるの?」


「創作ノートだよ。あたし、小説を書いてるの」


咄嗟に出まかせを言った。


「そのノートには作品に使いたいシーンとかを適当に書いてあるの」


「そうなんだ! アユリってすごいじゃん!」
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