うそつきペン
ツグミは目を輝かせてそう言った。


「でも、まだなにも書けてないないから誰にも内緒なの。友達や親にバレたら、冷やかされるでしょ」


そう言い、あたしはツグミの手からノートを取り、引き出しにしまった。


「そっか。それがアユリの隠し事だったんだね」


ツグミは納得したようにそう言ってほほ笑んだ。


その表情はどこか安堵しているようにも見えた。


「実は心配してたんだよね」


「心配?」


「うん。最近のアユリ、ハキハキものを言うようになったけれど、夕子とかと仲良くなったでしょ? あの子たち結構派手な性格してるし、大丈夫かなって思ってたの」


「そうだったんだ」
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