うそつきペン
先生は後方へ吹っ飛び、ぶつかった机が横倒しになる。


あたしは自分の顔が恐怖でひきつるのを感じた。


早く逃げなきゃ。


こっちに来る……!


「あたしじゃない。その子」


夕子の声がした瞬間、あたしの頭の中は真っ白になっていた。


夕子はこちらを見ずにあたしの方を指さしていたのだ。


「え……」


唖然としてしまって声も出なかった。


男があたしを睨み付ける。


「ち、違います!!」


大きな声で言ったつもりが、ほとんど声が出ていなかった。
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