うそつきペン
先ほどの出来事は明らかにみんなからの悪意を感じた。


だけど単純に自分の気にしすぎかもしれない。


「言えないならいいけど、ため込むのは良くないよ?」


「わかってるよ」


あたしはようやく笑顔を浮かべてそう返事をした。


クラス内で自分だけが浮いていることくらい、ちゃんと理解している。


みんなの輪の中に入らなきゃと思うけれど、いつだって上手くいかなかった。


同じクラスにツグミがいてくれれば、少しはなにか変ったかもしれないけれど。


「そう言えばアユリは今日も雑貨屋に行くんだよね?」
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