うそつきペン
「自分の身を守るのって普通じゃん? そんなにカリカリしないでよ」


演技を続けるのが面倒になったのか、そんな風に言って欠伸をした。


なにその言い方!


そう思ったが、あたしは何も言い返す事ができなかった。


だって、自分の身を守るために他人を犠牲にしてきたのはあたしも同じだ。


あたしはうそつきペンを利用して何度も何度も繰り返してきている。


あたしはそれ以上なにも言えず、黙り込んでしまったのだった。
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