うそつきペン
☆☆☆

昨日と同じ場所に、レトロな喫茶店のような文具店があった。


カランコロンとベルを鳴らして店内へ入ると、昨日の女性がすぐに出迎えてくれた。


女性はあたしの顔をみるなり頬をほころばし「今日も来てくれるなんて嬉しい」


と言う。


でも、今日はお客さんとしてきたわけじゃない。


その思いが少し後ろめたさを感じさせた。


「ごめんなさい。今日はお客さんとして来たんじゃないんです」


そう言い、おずおずと鞄の中からペンを取り出した。
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