うそつきペン
ねっとりと絡み付くような声でそう言ってくる。


本当の友達なら絶対に言わないようなセリフに、あたしは黙り込んだ。


「あたしがアユリのことを春子から助けてあげたよねぇ?」


その言葉にあたしは目を見開いた。


確かに、春子からイジられているタイミングで夕子と仲良く鳴りはじめた。


夕子は春子のやっていることを非難し、あたしを助けたともいえる。


だけど、その大半は夕子の力ではなくうそつきペンの力の結果だ。


「アユリ、今寂しいでしょ? 友達のツグミがあんな風になってさぁ」


それは夕子のせいだ。


そう思い、夕子を睨み付ける。
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