うそつきペン
「そうだよ。ちょっとしたお小遣い稼ぎ。それに春子って調子に乗ってたから、ちょっと痛い目見せてやろうと思ったの。だから動画を流出させた」


最低……。


そう思うが、怒りと吐き気で言葉が出てこなかった。


あたしは目の前にいる夕子を睨み付ける事しかできない。


「それがあんなことになっちゃうなんてねぇ」


夕子は思い出したように笑う。


「松葉づえとか、ウケルよね」


「……なにが?」


自分の口からそんな言葉が出ていた。


夕子の顔色が一瞬にして変化した。


「面白いじゃん。松葉づえなんて」
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