うそつきペン
あたしは夕子の体を突き飛ばし、その上に馬乗りになっていた。


頭の中は真っ白でなにも考えられなかった。


右手を握りしめて、それを思いっきり振り下ろす。


人を殴った経験なんてなかったけれど、夕子の頬に拳が当たった。


夕子は顔を歪め、悲鳴をあげる。


それでもあたしは止まらなかった。


何度も何度も夕子の顔を殴りつけた。


「ツグミに謝れ!」


そう怒鳴りながら……。
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