うそつきペン
「もしかしたら学校の友達のものじゃない? 偶然あなたの鞄の中に入ってたとか」


「そうでしょうか……」


そう言いながらも、そうではないと感じていた。


だってこのペンは鞄から出て来たのではなく、この『野崎文具店』の買い物袋から出て来たのだから。


受け取る事はできないと言っている物を、無理に突き付けて帰るわけにもいかず、あたしはそのまま『野崎文具店』を後にすることになったのだった。


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