うそつきペン
なにもしてないハズなのに、心の中の自分が『本当に悪くないの?』と、問いかけて来る。


自分の苦しみを相手に擦り付けたことはないの?


その結果、この未来が訪れたんじゃないの?


そんな声が、どこからともなく聞こえて来る。


あたしはその場に座り込んだまま自然と涙が滲んでくるのを感じていた。


「あたしはなにも……してないっ……」


そう呟けば呟くほど、涙があふれ出して来る。


「アユリ、相当ペンを使ってたんでしょ?」


夕子がそう聞いてくる。


ペンってなんのこと?


今そんな話をしてる場合じゃないでしょ。
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