うそつきペン
「ほら、謝れよ」


隆二が言う。


だけどあたしは子供のように嫌々と左右に首を振った。


「あたしはなにもしてない!」


涙に濡れた声であたしは訴えかける。


「あたしじゃない!」


泣きながら周囲を見回してみても、あたしに差し伸べられる手はどこにもない。


開け放たれたドアの外を見ると、廊下にツグミが立っているのが見えた。


咄嗟に声をかける。


しかしツグミはあたしを無視し、他の友達と一緒に歩きさってしまった。


あたしはその姿を呆然として見つめた。


「謝ってよ」


いつの間にかあたしの目の前に春子が立っていた。
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