うそつきペン
急に泣きだしたあたしに女性は驚き、ハンカチを差し出してくれた。


あたしはそれで目元をキツク押さえ、どうにか涙をこらえようとする。


けれど上手く行かない。


1度あふれ出した涙はどんどん出て来てしまう。


あたしは女性に促されて店の奥へと通された。


カウンターの奥のドアを入るとそこには10畳ほどのスペースがあり、大き目のテーブルや椅子が置かれている。


ここは休憩室件、ロッカールームになっているようだ。


「よかったら話を聞かせてくれる?」


そう言われてあたしは今日の出来事を女性に話して聞かせた。


「あたしはなにもしてないんです。ツグミとだって信頼し合ってると思ってました。それなのに……!」
< 260 / 281 >

この作品をシェア

pagetop