うそつきペン
自分の気持ちに急かされるようにして歩き、学校へ到着した。


あと1時間ほど授業が残っているが、今は休憩時間で学校内は騒がしい。


あたしは生徒たちの間をすりぬけて歩き、教室へとたどり着いた。


息は上がり、肩で何度も呼吸を繰り返す。


額に滲んだ汗を手の甲で拭って教室のドアを開けた。


その瞬間、クラスメートたちの私語が止み、視線があたしに突き刺さる。


驚いた顔をする者、含み笑いを浮かべる者。


様々だけど、誰1人としてあたしに声をかけようとはしない。


「夕子。ペンを返して」


あたしは机に雑誌を広げて読んでいた夕子へ近づき、そう言った。
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