うそつきペン
ペンケースの中身を机にまき散らして確認する。


「ここにはない……」


あれだけ大切なペンだ。


夕子は学校へは持って来ていないのかもしれない。


引き出しの中も鞄の中もすべてぶちまけて探す。


それでも、目当てのペンは見つからない。


「ちょっと、本当にやめてよ!!」


今までこんなことをされた経験がないのか、夕子はすでに涙目になっている。
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