うそつきペン
最後
それから数日後、あたしはどうしてあのペンが大切だったのかすっかり忘れてしまっていた。


しかし、隆二のおかげでクラスメートからの誤解は解けて、連動するように夕子たちからのイジメも無くなっていた。


「ちょっと早くしてよ」


掃除をしていると、仁王立ちをした春子があたしに声をかけて来た。


「ご、ごめんね」


慌てて邪魔にならないように身を避ける。


その時だった。


「俺も手伝う」


そう言い、隆二があたしの手から雑巾を取ったのだ。


「え……」


春子も、そしてあたしも驚いた顔を隆二へと向けた。
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