うそつきペン
「せっかくだからアユリに掃除してもらおうぜ」


夕子とあたしのやりとりを見ていた真治がニタニタとイヤラシイ笑顔を浮かべてそう言った。


「掃除がないなら、あたしも帰る」


早口でそう言って立ち上がるあたしの体を、真治が片手で押して来た。


「なにするの……」


おどおどとした視線を真治に向けることしかできない自分が悔しい。


「掃除して帰れっつてんだよ」


「でも……」


「掃除! 掃除!」


夕子が手拍子と共に騒ぎ始める。
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