うそつきペン
自宅へ戻ると共働きの両親はまだ帰って来ておらず、ひとまずホッとため息を吐き出した。


すぐに洗面所へ向かい、顔を洗う。


思ったよりもひどい顔になってなくてよかった。


着替えるために自室へと向かうと、ふとペンの事がきになった。


いつも間にか買い物袋の中に入っていた不思議なペン。


うそつきペンという名前で、書いたことが嘘になるっていう……。


「ちょっと使ってみようかな」


引き出しからペンを取り出して説明書きを読み直していると、使ってみたい衝動にかられてしまった。
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