うそつきペン
だって、今日の出来事とか、昨日の出来事とか、できれば嘘になってほしいもん。


こんなペンを使ったからってなにかが変わるなんてありえない。


そう思いながらもあたしは使っていないノートを取り出した。


真新しいノートの上部に『掃除がないことを聞いておらず、掃除を始めてしまった』と、書いた。


書いてから急に恥ずかしさを感じ、すぐにノートを閉じてペンを一緒に引き出しの中にしまい込んだのだった。
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