うそつきペン
この高校に入学してそんな授業があると知ったとき、あたしは心底ガッカリしてしまった。


そんなハードなことをするのは体育会系のコースの子だけだと思い込んでいた。


「このままじゃアユリだけ送れることになるかもしれないよ?」


「……わかってる」


あたしは大の運動音痴だ。


2時間も走れるとは思えない。


もちろん、全力で走る必要なんてないけれど大幅に遅れを取ると次の授業に影響してくるのだ。


「とにかく、もっとしっかりしてよね」


春子の母親みたいな言葉を聞いて、あたしは頷くことしかできなかったのだった。
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